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終末の詩を唇に乗せて #03

#03

そこには、目には見えない神々しい冠を戴いた不遜で傲慢な美しい王が居た。

「牙を剥くか?刃を向けるか?」

組織の破綻を招く叛乱の小さな炎を見つけたその王は、静かに口を開いた。
膝を折れぬ者は去れ、と。
冷酷で獰猛な獣の瞳をしながらも、とても穏やかな口調で宣うその姿は、まさに王そのもの。
貫禄と威厳を従わせ、神々しさを宿した美しく畏怖すべき君主そのもの。

(あぁ、やはりあなたはゼウスのような人…)

生も死も蹂躙し、世界を支配する最高神。
法という名の掟に縛られ酷く不自由な、神々の王。

(何て、綺麗な…)

闇の権力者と聖職者という交わってはいけなかったこの関係を。
彼と私を。
荒々しく罵倒していた男たちは返す言葉も成す術もなく、立ち竦んでいる。

「俺を謗ろうが何と言おうが、それは自由だ。甘受しよう」

私を背に庇いながら、彼は言葉を紡いでいく。
それは聖書の朗読のように厳かで、とても神聖な儀式が執り行われているかのようで。
しかし、哀れな罪人を無慈悲に断罪するかのように淡々としたもので。
本能的に感じたのは、畏怖というものに最も近い恐怖だった。

「だが、俺の天使を貶めることだけは許さない」

聖域を穢すことだけは許さない。
それでも掟に背いて牙を剥くというのなら、立ち向かってくるがいい。
だが、鎖を引きちぎって血の掟に剣を突き刺す覚悟がないのなら。

「去れ」

冷酷に突き放すその一言は、同時に。
ひどく真摯な、愛の言葉でもあった。
あぁ、私はこれほどに深く愛されているのか、と今更思う。
そして、絶対的な君主を前にした忠実な臣下たちは、私以上に思い知る。
この冷酷で獰猛な王は、これほどに優しい人だったのか、と。

「選べ。去るか、膝を折るか」

躊躇を許さない、二者択一。
彼らは仰々しく、厳かに。
まるで、中世の騎士が主にしたように。
厳しくも優しい王の元に、跪いた。

  選択肢など無いのだ。そこにあるのは、ただひとつの答え。そして真実


(2013.12~2014.01)


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2014-04-01
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