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救世主の手を掴んで #01

#01

とてつもなく大きな苦痛を抱えて。
それでも、優しさを失うことなく。
小さな命を救うために戦う勇敢な姿に、恋をした。

「これは恋だ、と気付く前から…」

いや、“出逢った瞬間”から。

「俺はもう尊のことを愛していたんだ」

そして初めて、人を憎み、恨んだ。
彼を傷付けた人間を、心の底から憎悪した。
彼の苦痛と同等の報復を、とさえ思った。
これから先、もしもまた彼を傷付けようとする人間が現れたら。
そのとき、俺はきっと。
憤懣や憎悪を超えて、殺意を抱くだろう、と。
自分でもぞっとするほどの、そんな狂気染みたことを考えた。

「俺が尊を傷付けるかもしれないのにさ」
「……」
「上手く愛せる自信なんてないし、絶対に傷付けないって言いきれない…」

ぐるぐると考えて、考えて、シナプスが悲鳴を上げるくらい考えて。
そうして、何度も何百回も何千回も思い知る。
あぁ、自分はあの強く優しい存在を愛している、と。

「幸せにしたいんだ。尊には笑っていて欲しい」
「……」
「少しでも、一瞬でも、幸せだなって思ってほしい」
「……」
「なぁ、こんな俺でも尊を幸せにできるかな?」

膝の上に、ぽん、と小さな手が置かれる。

「にゃ、にゃ!」

お前が勇気を持たないでどうする。
自信がないというのなら、幸せにする覚悟しろ。

俺の目を真っ直ぐに見つめてくるその小さな瞳に、そう叱咤された気がした。
雨に濡れて弱々しく鳴いていたあの仔猫は、いつの間にこんなにも強くなったのだろうか。
きっと、飼い主に似たのだろう。
脆くて、強くて、弱くて、勇敢で、優しい彼に。

「レイン、俺も戦うよ」
「にゃ!」

頑張れ、と励まされて勇気を分けてもらった俺は、ひとつ深呼吸をして。
キッチンでコーヒーを淹れている彼の元に向かった。
恋に落ちる前に愛した人に、初めてこの想いを伝えるために。

  高く響けこの声よ、届け届けその愛よ

(2013.06~2013.07/携帯用)


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2013-11-09
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