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終末の詩を唇に乗せて #01

#01

救世主の彫像の下に跪き、祈りを捧げるその姿を幾度見たことだろう。
そしてその度に、鉛によく似た重たく濁った感情がじわじわと胸に押し寄せてくるのだ。

(お前は、何を祈っている?)

血を吐くように懇願する人間の声を聴くことしかできない無力な偶像に、何を希う?
見届けることしかできないそれに、何を求めている?
それほどまでに切に。
まるで、誤まって地に堕ちてしまった天使が主の元へ帰還を願っているかのように。

(…懺悔を、しているのか?)

膝を付き、頭を垂れ、ロザリオを手に瞳を伏せて一心に祈りを捧げる。
その儚くも、どこか凛とした力強さを感じさせる背中に、そっと歩み寄る。
自分の気配にはとうに気付いているだろうに、振り返ることもしない彼に焦れる。
いや、拒まれているようで、恐怖したのだ。
伸ばしたこの手を拒まれたら、と。
出逢ったときには日常であったというのに、ひどく心が乱される。

(俺と出逢ったことを、後悔しているのか?)

彼の日常を。
そして、彼の心を尽く奪ったこの酷い男の存在は。
お前にとって、僅かでも幸いなものだろうか。
それとも、純白の翼を穢したこの血塗れた手を憎く思っているだろうか。
闇を従える己と光に愛された彼。
交わってはいけなかったのかもしれない。
だが、確かに2本の糸は交わった。
交わってしまった。
それを彼は、一瞬でもいいから、幸福なことだと思ってくれるだろうか。

「俺は、お前の幸せで在れるか?」

存外に臆病だったらしい俺は、その言葉を今日も飲み込んだ。

 それは、最愛の誰かを殺す言葉

(2013.04~2013.05/携帯用)


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2013-07-21
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